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【Unix】pingの解説
最終更新:2025-02-26
概要
ping
コマンドは、ネットワーク上にあるホストとの通信疎通を確認するために用いるコマンドである。ICMP (Internet Control Message Protocol) を利用して、相手ホストからの応答の有無や遅延時間を調べることができる。
コマンドの使用方法
ping [オプション] ホスト名またはIPアドレス
オプション一覧と詳細
-c count
指定した数だけパケットを送信して終了する。-i interval
パケット送信の間隔を秒単位で指定する。-w deadline
指定した秒数後に自動的に終了する。-W timeout
応答待ちのタイムアウトを秒単位で指定する。-q
統計結果のみ出力(quietモード)。-t ttl
IPヘッダのTTL(Time To Live)を指定する。TTLとは、IPパケットがルータを通過する回数を制限する値である。-a
応答を受け取るたびに端末でベルを鳴らす。-f
大量のICMPパケットを送信するfloodモード。ネットワーク負荷に注意が必要。-D
各応答行の先頭にUNIXタイムスタンプを表示する。
ハンズオン(全オプション)
1. -cオプション(送信回数を指定)
ping -c 4 example.com
出力例:
PING example.com (93.184.216.34) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 93.184.216.34: icmp_seq=1 ttl=57 time=15.3 ms
64 bytes from 93.184.216.34: icmp_seq=2 ttl=57 time=15.1 ms
...
--- example.com ping statistics ---
4 packets transmitted, 4 received, 0% packet loss, time 3004ms
rtt min/avg/max/mdev = 15.1/15.2/15.3/0.0 ms
2. -iオプション(送信間隔を指定)
ping -i 2 example.com
2秒ごとにICMPエコーを送信し、応答を受け取る。
3. -wオプション(終了までの時間を指定)
ping -w 5 example.com
5秒経過すると自動的に終了する。
4. -Wオプション(タイムアウトを指定)
ping -c 4 -W 1 example.com
パケットごとの応答待ち時間を1秒に制限する。
5. -qオプション(統計のみ表示)
ping -c 4 -q example.com
実行中の詳細を出力せず、最後の統計のみ表示する。
6. -tオプション(TTLを指定)
ping -t 64 example.com
TTLを64に設定し、相手ホストまでの経路上のルータ数を制限する。
7. -aオプション(応答時にベルを鳴らす)
ping -a example.com
応答を受け取るたびに端末にベル(ビープ音)を鳴らす。
8. -fオプション(floodモード)
ping -f example.com
極めて大量のパケットを連続送信するモードであり、ネットワーク負荷が高いため注意が必要である。
9. -Dオプション(タイムスタンプを表示)
ping -D example.com
各応答行の先頭にUNIXタイムスタンプ(エポック秒)を表示する。