最終更新：2025-02-26

概要#

nslookupコマンドは、DNSサーバへ問い合わせを行い、指定したホスト名やIPアドレスに関するDNSレコードを取得するためのツールである。ネットワークトラブルシューティングやDNS設定の確認に有効である。

コマンドの使用方法#

nslookup [オプション] [ホスト名/IPアドレス]

オプションを指定せずにホスト名やIPアドレスを引数に与えるだけでも、簡単にDNSクエリを行うことができる。

オプション一覧と詳細#

• (オプション未指定): 指定したホスト名やIPアドレスのデフォルト情報を表示する。
• -type=レコードタイプ: クエリするDNSレコードの種類を指定する。たとえば、以下のようなレコードを指定できる。
  • A: IPv4アドレス
  • AAAA: IPv6アドレス
  • CNAME: 別名レコード
  • MX: メールエクスチェンジャー
  • NS: ネームサーバ
• -server=DNSサーバ: 使用するDNSサーバを指定する。 (例: -server=8.8.8.8)
• -timeout=秒数: 応答を待機するタイムアウト時間を指定する。
• -retry=回数: 再試行回数を指定する。 (環境によっては非対応の場合がある)
• 対話モード: nslookupだけを打ち込むと対話モードに入り、server [DNSサーバ]などのサブコマンドを対話的に入力できる。

ハンズオン（オプションと出力例）#

1. 基本的な使い方（オプションなし）#

nslookup example.com

出力例:

Server:         8.8.8.8
Address:        8.8.8.8#53

Non-authoritative answer:
Name:   example.com
Address: 93.184.216.34

DNSサーバのアドレスと、クエリしたホストのIPアドレスを確認できる。

2. -type=レコードタイプを指定してクエリする#

よく使うレコードタイプの例として、以下のものがある。

• A (IPv4アドレス)
• AAAA (IPv6アドレス)
• CNAME (別名レコード)
• MX (メールサーバ情報)
• NS (ネームサーバ)

それぞれの使用例を示す。

(a) Aレコード#

nslookup -type=A example.com

出力例:

Non-authoritative answer:
Name:   example.com
Address: 93.184.216.34

(b) AAAAレコード#

nslookup -type=AAAA example.com

出力例（IPv6アドレスが割り当てられていない場合もある）:

Non-authoritative answer:
Name:   example.com
Address: 2606:2800:220:1:248:1893:25c8:1946

(c) CNAMEレコード#

nslookup -type=CNAME www.example.com

出力例:

Non-authoritative answer:
www.example.com     canonical name = example.com.
Name: example.com
Address: 93.184.216.34

example.comがCNAME（別名）としてwww.example.comを指し示している場合に表示される。

(d) MXレコード#

nslookup -type=MX example.com

出力例:

Non-authoritative answer:
example.com  mail exchanger = 10 mail.example.com.

メール受信に使用するサーバ情報が表示される。

(e) NSレコード#

nslookup -type=NS example.com

出力例:

Non-authoritative answer:
example.com   nameserver = ns1.example.com.
example.com   nameserver = ns2.example.com.

ネームサーバのホスト名が表示される。

3. -serverオプション（DNSサーバを指定する）#

nslookup -server=8.8.8.8 example.com

出力例:

Server:         8.8.8.8
Address:        8.8.8.8#53

Non-authoritative answer:
Name:   example.com
Address: 93.184.216.34

ここではGoogleの公共DNSサーバ8.8.8.8を使用している。

4. -timeoutオプション（応答待ち時間の設定）#

nslookup -timeout=2 example.com

応答を2秒間だけ待機し、タイムアウトした場合はエラーを表示する。

5. -retryオプション（再試行回数の指定）#

nslookup -retry=3 example.com

応答が得られない場合、最大3回再試行する。（環境によってはこのオプションに対応していない場合がある。）

6. 対話モード#

nslookup
> set type=MX
> example.com
> server 8.8.4.4
> set type=NS
> example.com
> exit

対話モードに入り、DNSサーバやレコードタイプを変更しながら柔軟にDNS情報を取得できる。