最終更新：2025-02-24

概要#

zipコマンドはファイルを圧縮し、unzipコマンドは圧縮されたファイルを解凍するためのツールである。テキストファイルや複数のディレクトリをスムーズにやり取りする際に有用である。

導入方法#

Unix系ディストリビューションでインストールがされていない場合は、以下のようにパッケージマネージャを使用してインストールすることが多い。

例（Debian/Ubuntu系の場合）:

sudo apt-get update
sudo apt-get install zip unzip

例（CentOS/Fedora系の場合）:

sudo yum install zip unzip

圧縮（zipコマンド）#

使用方法:

zip [オプション] アーカイブ名.zip ファイル...

オプション一覧とハンズオン#

-r (ディレクトリを再帰的に圧縮)#

・機能: 指定したディレクトリ以下をすべて圧縮する。
・例:

zip -r archive.zip mydir

出力例:

  adding: mydir/ (stored 0%)
  adding: mydir/file1.txt (deflated 70%)
  adding: mydir/subdir/ (stored 0%)
  ...

-9 (最高圧縮率)#

・機能: 圧縮率を最高に設定する。
・例:

zip -9 archive.zip largefile.dat

出力例:

  adding: largefile.dat (deflated 85%)

-q (出力抑制)#

・機能: 処理中の進行メッセージを表示しない。
・例:

zip -rq archive.zip mydir

出力例: （特になし。エラーがない限り何も表示されず終了する）

-e (パスワード保護)#

・機能: パスワードを指定して暗号化する。
・例:

zip -e archive.zip secrets.txt

出力例:

Enter password:
Verify password:
  adding: secrets.txt (stored 0%)

解凍（unzipコマンド）#

使用方法:

unzip [オプション] アーカイブ名.zip

オプション一覧とハンズオン#

（オプションなし）#

・機能: 指定したzipファイルを現在のディレクトリに解凍する。
・例:

unzip archive.zip

出力例:

Archive:  archive.zip
  inflating: file1.txt
  inflating: file2.txt

-d (解凍先ディレクトリ指定)#

・機能: 解凍先のディレクトリを指定する。
・例:

unzip archive.zip -d /path/to/unzip/

出力例:

Archive:  archive.zip
  inflating: /path/to/unzip/file1.txt
  inflating: /path/to/unzip/file2.txt

-o (上書きモード)#

・機能: 同名ファイルが存在する場合に上書きを行う。
・例:

unzip -o archive.zip

出力例:

Archive:  archive.zip
replace file1.txt?  [y]es/[n]o/[A]ll
  inflating: file1.txt
  inflating: file2.txt

（オプションでアラートを抑制しそのまま上書きすることも可能）

-P (パスワード指定解凍)#

・機能: 暗号化されたzipファイルを解凍する際、パスワードを指定する。
・例:

unzip -P mysecret archive.zip

出力例:

Archive:  archive.zip
  inflating: secrets.txt