最終更新:2025-02-24
概要
wget
コマンドは、Webからファイルをダウンロードするための非対話型ネットワークダウンロードツールである。HTTP、HTTPS、FTPなどのプロトコルをサポートしており、再帰的なダウンロードやリジューム機能も備えている。
使用方法は以下の通りである。
wget [オプション] [URL]
オプション一覧とハンズオン
1. -O (出力ファイル名を指定)
機能: ダウンロードしたデータを指定したファイル名で保存する。
使用例:
wget -O output.html http://example.com
上記例では、
http://example.com
の内容をoutput.html
として保存する。出力例: ファイル
output.html
に取得したHTMLデータが保存される。
2. -c (ダウンロードの継続)
機能: 中断されたダウンロードを再開する。
使用例:
wget -c http://example.com/largefile.zip
上記例では、
largefile.zip
のダウンロードを中断後に再開する。出力例: ダウンロードが中断された位置から再開される。
3. -r (再帰的ダウンロード)
機能: 指定したURL以下のリンクを再帰的に辿ってダウンロードする。
使用例:
wget -r http://example.com/dir/
上記例では、
http://example.com/dir/
以下のリンクを再帰的にダウンロードする。出力例: ディレクトリ構造を保ったまま、リンク先のファイルがすべてダウンロードされる。
4. -P (保存ディレクトリを指定)
機能: ダウンロードしたファイルを指定したディレクトリに保存する。
使用例:
wget -P /path/to/directory http://example.com/file.txt
上記例では、
file.txt
を指定したディレクトリに保存する。出力例: ファイルが指定されたディレクトリに保存される。
5. -q (静かな出力)
機能: ダウンロード中の出力を抑制する。
使用例:
wget -q http://example.com/file.txt
上記例では、ダウンロード中の出力を抑制して
file.txt
をダウンロードする。出力例: 進捗状況などのメッセージが表示されずにダウンロードが完了する。
6. —limit-rate (ダウンロード速度の制限)
機能: ダウンロード速度を指定したレートに制限する。
使用例:
wget --limit-rate=100k http://example.com/largefile.zip
上記例では、ダウンロード速度を毎秒100キロバイトに制限してダウンロードを行う。
出力例: 指定した速度でダウンロードが行われる。
7. —user, —password (ユーザ認証)
機能: HTTPまたはFTPのユーザ認証情報を指定する。
使用例:
wget --user=username --password=secret http://example.com/protectedfile
上記例では、指定したユーザ名とパスワードで認証を行い、ファイルをダウンロードする。
出力例: 認証が成功すれば、ファイルがダウンロードされる。
パイプ処理でのハンズオン
wget
コマンドを使ったパイプ処理の例を示す。wget
で取得したデータをgrep
でフィルタリングする。
wget -qO- http://example.com | grep "Example"
- 上記例では、
wget
で取得したHTMLデータからExample
という単語を含む行を表示する。 - 出力例:
<title>Example Domain</title> <h1>Example Domain</h1>