最終更新：2025-02-24

概要#

sedコマンドは、テキストストリームを簡易的に編集・置換するストリームエディタである。ファイルやパイプからの入力に対して、指定したパターンに基づく変換を行い、結果を出力する。主な使用例は以下の通り。

sed [オプション] [スクリプト] [ファイル...]

オプション一覧とハンズオン#

1. -n（出力抑制）#

• 機能: 自動出力を抑制し、表示指示があった行のみを出力する。
• 使用例:

  sed -n '/banana/p' sample.txt
  

• 出力例:

  banana
  

2. -e（複数スクリプト指定）#

• 機能: 複数のスクリプト（置換や操作）を連続で実行する。
• 使用例:

  sed -e 's/apple/orange/g' -e 's/banana/grape/g' sample.txt
  

• 出力例:

  orange
  grape
  orange
  grape
  

3. -f（スクリプトファイル）#

• 機能: 外部ファイルに記述したsedコマンド群を実行する。
• 使用例:

  sed -f script.sed sample.txt
  

• 出力例:

  orange
  grape
  orange
  grape
  

4. -i（ファイル直接編集）#

• 機能: 対象ファイルを上書き編集する。
• 使用例:

  sed -i 's/apple/orange/g' sample.txt
  

• 出力例（実際のファイル内容が変化）:

  orange
  banana
  orange
  grape
  

• バックアップ:

  sed -i.bak 's/apple/orange/g' sample.txt
  

5. -r / -E（拡張正規表現）#

• 機能: 括弧やパイプなどの拡張正規表現を簡易に使用できる。
• 使用例:

  sed -E 's/(apple|banana)/fruit/g' sample.txt
  

• 出力例:

  fruit
  fruit
  orange
  grape
  

6. -l 数値（行幅指定）#

• 機能: 出力を指定文字数で折り返して表示する。
• 使用例:

  sed -l 20 's/a/A/g' longtext.txt
  

• 出力例: 長文を20文字単位で改行するため、実際の表示は文章次第。

7. -z（NUL区切り入力）#

• 機能: NUL文字で区切られたテキストを行単位で扱う（環境依存）。
• 使用例:

  sed -z 's/apple/orange/g' binarydata.txt
  

• 出力例: テキスト表現は変化が見えにくいが、NUL区切りで置換が行われる。

パイプ処理でのハンズオン#

他コマンドからの出力をsedで変換する例を示す。

ls | grep '\.txt$' | sed 's/\.txt$/.md/'

• ls の出力から .txt ファイルのみ抽出し、それらの拡張子を .md に変換して表示する。
• 出力例:

  file1.md
  file2.md
  memo.md