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【Unix】wコマンドの解説
最終更新:2025-02-22
wコマンドは、Unix系システムにおいて現在ログインしているユーザーの情報や、各ユーザーが実行中のプロセスの概要、システムの稼働状況などを表示するためのコマンドである。管理者はこのコマンドを用いて、システムの利用状況、ユーザーの活動状況、システム負荷などを把握することができる。
出力結果の例
以下は、wコマンドを実行した際の出力例である。
04:49:25 up 10 days, 3:12, 4 users, load average: 0.15, 0.20, 0.25
USER TTY FROM LOGIN@ IDLE JCPU PCPU WHAT
alice pts/0 192.168.0.1 04:45 2:00 0.05s 0.05s -bash
bob pts/1 192.168.0.2 04:44 1:30 0.04s 0.04s -bash
charlie pts/2 192.168.0.3 04:40 1:10 0.03s 0.03s -bash
dave pts/3 192.168.0.4 04:41 15:00 0.10s 0.10s -bash
出力結果の解釈
上記の出力結果は、以下の各部分に分けて解釈することができる。
最上行
04:49:25 up 10 days, 3:12, 4 users, load average: 0.15, 0.20, 0.2504:49:25: 現在のシステム時刻である。up 10 days, 3:12: システムが直近の再起動から10日と3時間12分経過していることを示す。4 users: 現在4人のユーザーがログインしている。load average: 0.15, 0.20, 0.25: 過去1分、5分、15分のロードアベレージがそれぞれ0.15, 0.20, 0.25である。これにより、システムの負荷の傾向を把握できる。
ヘッダー行
USER TTY FROM LOGIN@ IDLE JCPU PCPU WHATこの行は、以降に続く各ユーザーの情報の列見出しである。
USER: ログインしているユーザー名。TTY: 各ユーザーが使用している端末(TTY)の名称。FROM: リモートホストからログインしている場合、そのホストのIPアドレスまたはホスト名。LOGIN@: ログインを開始した時刻。IDLE: ユーザーが最後に操作したからの経過時間。JCPU: 該当TTYで実行中の全プロセスの合計CPU使用時間。PCPU: 現在実行中のプロセスのCPU使用時間。WHAT: 現在ユーザーが実行中のコマンドやシェルの名称。
各ユーザーの行
例として、以下の1行を見てみる。alice pts/0 192.168.0.1 04:45 2:00 0.05s 0.05s -bashalice: ユーザー名。pts/0: 使用中の端末。192.168.0.1: リモートホストのIPアドレス、またはローカルの場合は省略となる。04:45: ユーザーがログインした時刻。2:00: 最後の操作から2分間アイドル状態である。0.05s:JCPU値、端末内で使用された全コマンドのCPU時間の合計。0.05s:PCPU値、現在実行中のプロセスのCPU使用時間。-bash: 現在実行中のコマンドで、ここではbashシェルが実行されていることを示す。
ハンズオン
以下に、wコマンドを使用してシステムの稼働状況を把握する例を示す。
1. wコマンドの基本使用例
ターミナルで以下のコマンドを実行せよ。
w
このコマンドは、上記のような出力結果を表示する。出力結果に含まれる各情報をもとに、システムの稼働状況やユーザーの活動状況を確認することができる。
2. 出力結果を解析し、システムの状態をチェックする
出力結果の最上行をよく確認し、以下の点について検証せよ。
- システム時刻とシステムの稼働時間
- 現在ログインしているユーザー数
- ロードアベレージを見て、瞬間的なシステム負荷を把握する
また、各ユーザー行についても、どのユーザーがどの端末で作業しているか、アイドル時間が長いユーザーがいないかなどをチェックすることが重要である。
このように、wコマンドの出力はシステムの全体的な利用状況および各ユーザーの活動状況を即座に把握するために有用である。定期的に実行し、システム管理やトラブルシューティングの参考とすることが望ましい。
【Unix】wコマンドの解説
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